黄体ホルモン(合剤)について

黄体ホルモンを補充する薬剤には “黄体ホルモンのみを含む製剤”と“卵胞ホルモン+黄体ホルモンを含む製剤”に分類することができます。どちらも月経周期を正常にし黄体機能を維持する働きをする薬剤であり、それぞれ症状などに応じて使い分けられています。

●卵胞ホルモンと黄体ホルモンを含む合剤
一般的に中用量ピルと呼ばれ、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を含む薬剤になります。経口避妊薬としてよく知られている低用量ピルよりも、含まれるエストロゲンの用量が多いことが特徴です。

避妊を目的として服用する場合には、含まれるホルモン量が少なく、副作用も少ない低用量ピルが多く処方されていますが、不妊治療の場ではホルモン量が多い中用量ピルが選択されます。

経口避妊剤として知られる薬剤が、不妊治療で用いられることに違和感を覚えるかもしれませんが、ピルを服用している間は月経が起こらないという特性を生かした治療が行われます。

服用時には月経が起こりませんので、排卵の度に症状が進行する子宮内膜症などは症状の進行を遅らせることが出来ます。また、服用を中止することで月経が起こすことができるので、一定しない生理周期の安定化や体外受精時の採卵日のコントロールなども効果を発揮します。

エストロゲン、プロゲステロンのどちらも含まれていることで、子宮内膜の維持に役立ち、受精卵の着床の助けや流産予防も期待できます。

エストロゲンとプロゲステロンを含む合剤は、次のような製品が販売されています。
製品名:ソフィアC配合錠
一般名(成分名):ノルエチステロン・メストラノール錠

ソフィアC

製品名:プラノバール配合錠
一般名(成分名):ノルゲストレル・エチニルエストラジオール錠

プラノバール

製品名:ルテジオン配合錠
一般名(成分名):クロルマジノン酢酸エステル・メストラノール錠

ルテジオン1

<効能効果>

月経周期異常、無月経、月経困難症
卵巣機能不全による不妊症

<用法用量>

通常成人1日1錠を月経周期第5日より約3週間連続投与する。

<使用上の注意>

血栓ができる可能性があるため、血栓性静脈炎や肺塞栓症の症状がある場合、過去にかかったことがある場合は使用出来ません。
また、子宮筋腫や心疾患、腎疾患がある場合については症状が進行する場合があるので、注意が必要です。

服用時に、胸痛や激しい頭痛、麻痺や急激な視力の低下などがみられた場合は直ちに服用を中止して医師の診察を受けてください。

<副作用>

重大な副作用として血栓症があります。上述のような症状があらわれていないか十分に注意してください。

その他、発疹や嘔吐・下痢などの消化器系の症状がみられ、場合によっては体重の増加を招くこともあります。

<PMDA情報>

ソフィアC配合錠
http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/470007_2482004X1034_1_05#CONTRAINDICATIONS

プラノバール配合錠
http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/470007_2482005F1041_3_05#CONTRAINDICATIONS

ルテジオン配合錠
http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/470007_2482007F1032_1_05#CONTRAINDICATIONS

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