不妊治療と流産

赤ちゃんが欲しいと思っていても、長らく授からなければ当然、気持ちが沈むことも多くなってしまいますよね。それに負けず劣らず辛い気持ちになってしまうのが、せっかく授かることができたと思った矢先の流産です。

受精後の過ごし方が悪かったのではないだろうか、など言いようのない後悔で胸がいっぱいになってしまった経験をお持ちの方もいるかもしれませんね。

●流産とは?

日本産婦人科学会では流産について、「妊娠の早い時期に赤ちゃんが死んでしまうこと」として具体的には、22週より前に妊娠が終わることをすべて流産とみなしています。
つまり、妊娠5カ月くらいまでの時期を指すのですが、流産はその中でも、妊娠3カ月までの本当に初期のものが8割を占めるとも言われています。
また、原因についても実はよくわからないことが殆どなのです。

このような初期の流産について、自分を責めてしまう方は多いものです。しかし、流産は全体の15%と経験される女性も多く、そのほとんどは胚の染色体異常によって引き起こされることがわかっています。
つまり、お母さん側の過ごし方の問題ではなく、何らかの異常を抱えていて結果的に出産まで至ることが難しいものばかりということになります。受精の段階ですでに染色体は決まっていますので、それ以降のお母さんの過ごし方が直接的な影響を与えることはないといっていいでしょう。

●不妊との関係

不妊治療では排卵誘発剤をはじめとした薬剤を使いますし、卵を一度、体外へ取り出してから受精させ、場合によっては凍結保存することもあります。
そのため、不妊治療をしていると流産する確率が高くなるのではと心配される方もいらっしゃいますが、必ずしも影響を与えるわけではありません。

それよりも、近年の晩婚化や女性の社会進出、キャリア形成などを背景に、不妊治療を受けられる女性の年齢層が上がってきているということが一番の原因です。年齢が上がれば当然、卵の質も低下してしまいます。染色体の異常なども生じやすくなり、結果的に胚自体の異常や発育の妨げとなってしまうことが多くなるのです。

しかし、全ての卵がそうであるとは言えません。
女性の体の中に残されている卵子は少なくなり日々、老化してはいきますが、その中でも質の良い卵子であれば問題なく受精、着床、発育を繰り返して出産まで至ることができます。

流産という悲しい経験と不妊治療が相まって、精神的にもダメージを受けやすくなってしまい、治療に専念することが難しい時期もあるかもしれません。そういったときは、少し立ち止まってみたり、カウンセリングを受けてみたりするなど気持ちの切り替えをしてから次の一歩を進んでみましょう。

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