不妊治療における薬の飲み忘れについて

不妊治療薬に限ったことではありませんが、薬は継続して服用することで安定した効果が得られます。自己判断でやめてしまったり、飲んだり飲まなかったりすると効果が半減するばかりか悪影響が出ることもあるので十分気をつけましょう。

とはいいつつも、わたしたちは完璧ではありません。意識的ではなくても、時には飲み忘れてしまったということもありますよね。

そのようなときは、どう対処したらいいのでしょうか。
今回は、不妊治療でよく使われる薬剤の飲み忘れについてご紹介していきます。

風邪対策イメージ―薬と水

<ピル>
不妊治療の一環としてピルを服用していた場合は、基本的に気づいた時点で服用するようにしましょう。例えば、寝る前に忘れてしまった場合は翌朝起きてすぐに服用します。

しかし、前回から24時間以上経過してしまった場合や、避妊を目的として服用している場合は確実な効果が得られないので注意が必要です。あまりないとは思いますが、数日忘れてしまって月経が訪れた場合は医師または薬剤師に相談してください。

<黄体ホルモン製剤>
黄体ホルモンの補充を目的として使われるルトラールやデュファンストンなどは、妊娠しやすい子宮環境を作る薬剤です。一度の飲み忘れで大きく変化することはありませんが、こちらも気がついた時点ですぐ服用しましょう。

服用の間隔が大きく空いてしまうとホルモン量の減少を招き、月経を引き起こす可能性もありますので注意が必要です。

<排卵誘発剤>
クロミフェンやセロフェンといった排卵誘発剤を飲み忘れてしまった場合、次の服用時間が近づいていれば、1度飛ばして次の回に服用しましょう。前回の分と合わせて2回分服用するなど、1日の服用量を超えることのないようにしてください。

● 薬の飲み忘れを防ぐために
薬を飲むという行為を生活習慣の中に取り込むことができるよう、工夫することも大切です。いくつかの方法をご紹介しますので、ぜひ試してみてください。

・ 目のつきやすい場所においておく
カバンや引き出しの中にしまったままだと、思い出しにくいことはもちろんのこと、しまった場所を忘れてしまうこともあります。そうならないためにも、テーブルの上やキッチン、洗面所など必ず目にする場所に置いておくことで気づきを与えることができます。

・ ピルケースやお薬カレンダーを利用する
毎日服用する分を小分けにして管理する方法も効果的です。外出が多ければ、携帯できるピルケースを。外出の頻度が少なければ、壁にかけるカレンダータイプのものを使ってみてはいかがでしょうか。日々の服用量が目に見えてわかるので、飲み忘れにも気づくことができます。

・ アラームを使う
スマートフォンの服薬アプリや、服薬時間を教えてくれるアラームの機械を使うのも手です。何か作業に没頭していても、アラームで教えてくれる点は便利です。

・ 家族に協力してもらう
複数の目があることで、さらに飲み忘れを防ぐことができます。予め家族や周囲の人に薬のことを話しておき、意識して声かけをしてもらうこともいいでしょう。

そして、何よりも薬を飲むことで得られる効果や、服用し忘れで生じるリスクをしっかりと理解することが大切です。薬剤の効果を理解することで、より服用する行為が意識付けられることになります。

また、今回ご紹介した飲み忘れについての対処法は、あくまでも一般論です。
個々の状態や、服用し忘れてからどのくらいの時間が経っているのかなどの要因によっても対処法が左右されますので、いざという時に慌てないよう事前に確認しておくことも安心材料の一つとなります。

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