メラトニンとは?

近年、不妊治療の現場ではサプリメントが使われるようになりました。
不妊に効果があると称されている製品は数多く存在しますが、その中でも特に重宝されている成分が“メラトニン”です。メラトニンは体内時計に働きかけて眠りを誘う効果をもつホルモンであり、その作用から睡眠ホルモンとも呼ばれています。

<メラトニンの分泌メカニズムは?>

夜暗くなったことが目から脳に伝わると、脳の松果体からメラトニンが分泌されて眠りを誘います。
そして朝、明るくなると体内時計がリセットされてメラトニンの分泌が止まり、私たちは眠りから覚めることができるのです。つまり、メラトニンは睡眠をコントロールすることができる、優秀かつ重要なホルモンということになります。

メラトニンの分泌時間と年齢による変化

メラトニンの分泌時間と年齢による変化

<メラトニンが不妊治療で重宝される理由とは?>

メラトニンが不妊治療において注目されている最大のポイントは、抗酸化作用です。抗酸化作用とは、細胞を破壊して老化の原因となる活性酸素を抑える効果のことを指します。
細胞内でこの作用が働くことで、排卵過程に生じた酸化ストレスから卵を守ることができるのです。

実際にメラトニンを摂取した場合、摂取しなかった場合と比較して受精率や妊娠率の向上がみられたという研究結果も出ており、メラトニンは卵の成熟を助け、その質の改善にも寄与しているのです。

<メラトニンの分泌を増やすには?>

身体に必要不可欠なメラトニンですが、残念ながら加齢とともにその分泌量は減っていきます。
では、分泌量を増やして活性化させるためにはどうしたらいいのでしょうか?

一番大事なことは、生活リズムを整え適度な運動をするということです。そして、夜型の生活をしているのであれば改める必要があります。また、わずかな明かりでも分泌量が減ってしまうので、具体的には遅くとも12時以降は明かりを落とすようにして朝は太陽の光を浴びましょう。

実は、メラトニンは食品からも直接摂ることができ、ケールやとうもろこし、キャベツなどに比較的多く含まれていますが、決して十分量とはいえません。

ですが、メラトニンはトリプトファン(アミノ酸の一種)が原料となり体内で合成することができるので、トリプトファンが多く含まれる物質を積極的に食べることも有効です。トリプトファンは、マグロやカツオ、大豆製品などの良質のタンパク質に多く含まれています。

メラトニンの化学式

メラトニンの化学式

一方、カフェインやアルコール、タバコはメラトニンを抑制する働きがあるので、できればこれらを避けて生活したいものです。

さらに、メラトニンはサプリメントからも摂ることができるのですが、日本ではサプリメントとして認められておらず、手に入れるには個人輸入などの手段を講じる必要があります。しかしながら、サプリメントとはいえホルモンの一種になりますので、できれば医師の管理下で利用することが望まれます。

摂取する際には眠気をもたらすので、夜眠る前に使用し、服用後は車の運転などは控えましょう。また、過剰摂取は逆効果になり、メラトニンの働きによって生理がこなくなることもあるので注意が必要です。

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