黄体ホルモン（単剤）について

黄体ホルモンを含む製剤の中でも、女性ホルモンとして黄体ホルモン（プロゲステロン）のみ含むものは、経口剤・注射剤ともに多くの種類が販売されています。

これらの製剤は、体内で不足しているプロゲステロンを外から補うことで生理周期を安定させ、月経異常などの改善を図ることができます。また、高用量を用いるとエストロゲンの作用を抑制することができるため、乳癌等の治療に用いられることもあります。

プロゲステロンだけを含む経口の黄体ホルモン製剤には、次のような製品があります。

●経口剤

製品名：プロベラ錠2.5mg/プロゲストン錠2.5mg/5mg/ヒスロン錠5
一般名（成分名）：メドキシプロゲステロン酢酸エステル錠

製品名：ルトラール錠2mg
一般名（成分名）：クロルマジノン酢酸エステル錠

製品名：デュファストン錠5mg
一般名（成分名）：ジドロゲステロン

＜効能効果＞

無月経、月経量異常、黄体機能不全による不妊症

＜用法用量＞

通常、成人には1日2.5mg〜15mg（ルトラールは1日2〜12mg、デュファストンは1日5〜15mg）を1〜3回に分割投与する。

＜使用上の注意＞

脳梗塞や心筋梗塞など、血栓性疾患又はその既往歴のある場合には症状の悪化を招く可能性があるので、服用することができません。
また、重篤な肝障害や肝疾患を抱えている場合も同様の理由により、服用が禁止となっています。
（ルトラール及びデュファストンは、その対象ではありません。）

その他、心疾患や腎疾患や慢性の肺機能障害、糖尿病の場合も医師とよく相談してください。

＜副作用＞

高用量で使用することで、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症が発現することがあります。このような症状があらわれた場合には、服用を中止して直ちに医師へ連絡してください。

この他、発疹や腹痛、下痢などの消化器症状、肝機能障害を招く場合があるので十分に注意してください。

●注射剤

黄体ホルモン製剤には、経口剤よりも即効性をもつ注射剤も多く用いられます。経口剤よりも早い効果を期待する事が出来ますが、デメリットは筋肉注射を行うために比較的痛みを伴うことになります。

製品名：プロゲストンデポー筋注125mg/プロゲデポー筋注125mg
一般名（成分名）：ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル

製品名：プロゲステロン筋注25mg「F」/プロゲステロン筋注50mg「F」
ルテウム注10/ルテウム注25
プロゲホルモン筋注用10mg/プロゲホルモン筋注用25mg
一般名（成分名）：プロゲステロン

＜効能効果＞

無月経、黄体機能不全による不妊症、習慣性流早産、切迫流早産

＜用法用量＞

プロゲストンデポー及びプロゲデポーの場合は通常、成人1週1回65〜125mgを筋肉注射する。
その他の製剤では通常、成人1日10〜50mgを1〜2回に分けて筋肉注射する。

＜PMDA情報＞

妊娠力向上委員会