妊娠前になぜ葉酸が必要なのか?

厚生労働省は葉酸の摂取について推奨をしています。なぜ、推奨しているのかの理由を見ていきましょう。

●葉酸とは?

葉酸はビタミンB群の一種です。
ビタミンM、ビタミンB9、プテロイルグルタミン酸とも呼ばれ、水溶性ビタミンに分類される生理活性物質です。1941年に乳酸菌の増殖因子としてホウレンソウの葉から発見された。ゆえに葉はラテン語で folium と呼ばれることから葉酸 (folic acid) と名付けられました。

葉酸が不足するとDNA生合成に支障を来し、分裂の活発な血球合成に障害が起こり赤血球障害や悪性貧血などの症状を生じますし、葉酸を触媒的に回復させるビタミンB12が欠乏しても同様の症状を生じることが分かっています。

葉酸の栄養所要量は、推定平均必要量が 200 µg、推奨量が 240 µg、上限量が 1,000 µg(いずれも成人男女)とされています。ただし、妊娠期および授乳期には推奨量として +200 µg、+100 µgの増量を、また、妊娠を計画している、あるいは妊娠の可能性のある女性は、一日あたり 400 µg の摂取が望ましいとされています。

●葉酸に必要性について~神経管閉鎖障害の予防

葉酸は、細胞の分裂や成熟を大きく左右するため、特に胎児にとっては重要な栄養成分です。

妊娠初期は胎児の細胞増殖が盛んになっており、この時期に妊婦の葉酸摂取が不足すると、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが高まることがわかっています。

神経管閉鎖障害とは、胎児の神経管の一部が塞がらず、脳や脊髄が正常に機能しなくなる疾患です。

神経管閉鎖障害が起こるのは、遅くとも、ママのお腹にいるときに神経管が作られる妊娠4~5週頃です。神経管のどの部分が塞がらないかで障害の現れ方は異なり、大きく分けて「二分脊椎症」と「無脳症」が見られます。

二分脊椎症は、神経管の下部が塞がらないことで発症します。下半身の神経が麻痺して歩行障害や運動障害が起こるほか、膀胱や直腸などを動かす筋肉の麻痺により排尿・排便障害、大人になってからは性機能障害が起こることもあります。また、約半数の子供で軽度から中程度の知的障害が発症します。

無脳症は、神経管の上部に閉塞障害が現れるもので、頭蓋と大脳が欠損した状態になります。

超音波(エコー)検査により、妊娠14週頃には診断できます。
脳以外の臓器には異常がない場合がほとんどで、胎児期は成長を続けますが、脳が形成されていないと生きていくことができないために、残念ながら流産や死産の割合が高くなります。

多くの場合、妊娠を知るのは神経管ができる時期よりも遅いため、妊娠に気づく前の段階から葉酸を十分に摂取していることが大切です。しかし、妊娠した時にすぐに葉酸を補給することは難しいので、妊娠した時にも万全の状態にしておくために葉酸は妊活時から妊娠中期まで意識的に摂取することを勧められています。

野菜や果物、豆類、レバーなどに多く含まれています。ただし、食事だけでは十分な量を摂取することが難しい場合もありますのでサプリメント使用を勧められるということになります。

●葉酸と不妊治療

葉酸と不妊治療の関係性についての論文はいくつかありますのでご紹介したいと思います。

例えば、2022年に発表された論文では、葉酸の摂取が卵巣予備能に影響していることが示されています。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0015028221020872

葉酸と男性不妊に関する研究は、まだ十分に行われていないため、結論は出ていません。

ただし、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校の研究によると、葉酸を充分に摂取している男性の精子は、そうでない男性の精子と比べて、染色体異常の確率が約20%低いことが明らかになっています。

精子に染色体異常があると、精子の形成や成熟が上手く行かなくなることもあり、不妊につながる可能性があります。

https://192abc.com/61269

ただし、これらの研究はあくまで参考程度であり、葉酸が男性不妊にどのような影響を与えるかについては、まだ十分な研究が行われていないため、結論は出ていません。

●まとめ

今回は葉酸についての情報をまとめてみました。推奨されるだけの理由が色々とあるのだなと理解して頂けたと思います。今後、他の栄養素についても色々と書いていきたいと思います。

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