不妊治療に活用するビタミン製剤とは?(LカルニチンとコエンザイムQ10)
妊娠しやすい身体を作るためには、生活習慣や食生活の見直しは重要なポイントになります。様々な不妊治療も、基盤がしっかりと成り立った上で効果を発揮するといっても過言ではありません。
そのために偏った食生活を見直し栄養バランスをとることが大切ですが、特に妊娠にとって不足しがちな“ビタミン類”は是非、摂取したい栄養素です。
一口にビタミンといっても実に様々な種類があり、含まれている食材も異なります。ここでは不妊治療において、特に重要な栄養素を紹介していきます。
◆L-カルチニン
L-カルチニンとはアミノ酸の1種であり、脂肪酸と結合してミトコンドリアの覆われた膜を通過することが出来るので、脂肪酸をミトコンドリアの内部へと運ぶことができます。
ミトコンドリアの内部へと運ばれた脂肪酸は、燃焼によってエネルギーへと変換されるので、重要な活動源となります。このやり取りがスムーズに行われない場合は効率よくエネルギーを産み出せず、脂肪がそのまま蓄積するとともに、疲労も溜ってしまいます。
一方でL-カルチニンが十分量である場合はミトコンドリアが活発になり、若返りが期待できると同時に細胞分裂も促すので、生殖機能も活性化します。そのため、男性が摂取することで精子の運動率が向上し、女性が摂取すると卵子の質が向上すると言われています。
●どのような食品に含まれるのか?
羊肉や赤みの肉、赤貝などに多く含まれています。
その他、含有量は少ないですが乳製品にもふくまれています。
◆CoQ10(コエンザイムQ10)
CoQ10とは、肉や魚などの食品に含まれている脂溶性の物質でミトコンドリアを活性化させる働きがあり、ヒトの体内でも合成されます。中でも、よりエネルギーを必要とする心臓や卵巣、精巣などの生殖器に多く含まれることがわかっています。また、ビタミンと同じような作用があり、別名“ビタミンQ”や“ユビキノン”とも呼ばれています。
体内で合成されていますが、加齢やストレス、睡眠不足などで減少するため、不妊治療されている場合は外から摂ることも有用です。
近年の研究では、精子機能との関係性が示されており、その抗酸化作用やエネルギー産生作用を利用することで、精子の質・量ともに改善させる効果があるため、男性の不妊症を改善させる効果もみられます。
●どのような食品に含まれるのか?
肉類や魚類などの動物性食品に多く含まれており、具体的にはレバー、鮭、うなぎ、青魚などがあげられます。また含有量は劣りますが、野菜ではキャベツやほうれんそう、大豆、そして大豆を使った加工品など幅広い食品にも含まれる栄養素です。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。