妊活と自然療法について~ナチュロパス(自然療法士)松本なみさん取材記

このたびはオーストラリアと日本の両方で活躍されている松本なみさんに取材することが出来ました。松本さんのお仕事であるナチュロパスとは日本語では自然療法士という名称に翻訳されます。

 

メディカルハーブやホメオパシー、サプリメント、栄養療法、生活・食事改善の指導などで、不具合の生じた体の自然治癒力を高め、本来の健康的な体に戻すお手伝いをする仕事です。

 

自然療法のエキスパートであるナチュロパスは、大学の専門課程を経て資格取得するものであり、オーストラリア国内では統合医療機関、個人経営のクリニックから薬局、ヘルスフードショップ等で活躍しています。

 

先日、自然療法国際学会で松本さんにお目にかかったので、だめもとで取材も同時にお願いさせて頂いたところ、快く応じて頂きました。それでは取材の内容をどうぞ!

 

松本氏はナチュロパシー(自然療法分野)において日本で最も注目されている女性の一人です。

松本氏はナチュロパシー(自然療法分野)において日本で最も注目されている女性の一人です。

 

●ナチュロパスになろうと思ったきっかけを教えてください。

小さいころから重度のアレルギー性鼻炎持ちで、小学校2年生くらいから週に2回耳鼻科に通っていました。耳鼻科に通っても治るわけではないし、蓄膿症や副鼻腔炎にもしょっちゅうなって、抗生物質もよく飲んでいました。しかし、根本的な解決にはなりません。

 

20代前半のころから薬ってどうなのだろうと思い始め、何かほかにいい方法があるんじゃないだろうかと、自然療法について本を読み始めました。アロマテラピーやハーブセラピーも通信教育で学んだのですが、日本だとどうしても癒しやリラクゼーションの域にとどまってしまいます。そのときにオーストラリアや海外だと、自然療法がもう少し医に近いものであると聞き、ワーキングホリデーでオーストラリアに一度下見に行きました。

 

そのときに、ナチュロパシーという学問があることを初めて知り、興味がわきました。その後ナチュロパシーの学校に通っている方と巡り合い、お話をいろいろ聞いているうちに、私が勉強したいのはこれだなと思いました。

 

●オーストラリアで資格を取るというのは大変だったのでは?また、卒業後はどういった活動をされているのでしょうか。

ナチュロパシーの勉強をする決意をしたものの、やはり、ものすごくお金がかかるんです。オーストラリアでは自然療法が学位として大学で学べるため、ワーキングホリデーの滞在中に行きたい大学も目星をつけ、一度日本にお金を貯めに帰りました。

 

それから数年後の26歳の時に留学をし、3年間大学に通って西洋ハーブの薬学とナチュロパシーのアドヴァンストディプロマをまず取りました。そのあとオーストラリアで唯一ナチュロパシーの学位が取れる大学に編入し、2年ほど勉強しました。卒業後はヘルスフードショップやビタミンショップの一角にナチュロパスが働いているクリニックのようなスペースがあり、そういう所で仕事をはじめました。だいたい6年くらいコンサルテーションをしたり、患者さんを診たりして働いてました。

 

その後も日本やオーストラリアを行ったり来たりしていて、現在は講演活動や日本、オーストラリアでのサプリの販売などをしています。

 

●オーストラリアのナチュロパスは、子供を授かりたい方にどういうアプローチをするのでしょうか?

栄養療法、デトックス、メディカルハーブの3本柱がどのナチュロパスも使うアプローチだと思います。ホルモン関係の疾患や症状にはまずメディカルハーブを使います。あとはデトックスなどで、農薬、重金属などの環境ホルモンを出します。今はプラスチックに囲まれていますし、環境ホルモンがすごく増えているんです。あとは体温をあげるとか、適度な運動をするといったライフスタイル的なアドバイスです。

●男性不妊の治療法は?

栄養療法とメディカルハーブ(ダミアナ、トリビュラス)になります。あとはデトックスです。カドミウムや鉛がたまっていたりすると環境ホルモンなので影響します。タバコもカドミウムが入っていますし、副流煙もよくないので、絶対やめた方がいいです。あとはビタミンC、亜鉛、セレン、アルギニンの入ったサプリメントを飲んだりもします。そして最後はライフスタイルです。

 

●人によってオーダーメイドのような感じになるのでしょうか?

ほとんどがオーダーメイドです。基本的にナチュロパスはコンサルテーションにとても時間をかけます。その方がどういった状態で生まれたのか、小さいころはどんな病気をしてどんなアレルギーがあったのか、食事はどんな食事をしているのか、どんな毒素がたまっているのかといったことを毛髪ミネラル検査で調べ足ります。また、環境ホルモンがどれくらいたまっているのかという検査したり、エストロゲン、プロゲステロンなどのホルモンレベルを見て、メディカルハーブもそれに沿った処方をします。栄養素も人によって足りないもの、多すぎるものがあったりするので、それによって処方の仕方を変えていきます。

 

●オーストラリアでコンサルテーションをするときに、どのくらい時間をかけますか?

初診の時は1時間半くらいです。その後は検査を受けてもらったときの検査結果の内容や、つけておいてもらったフードダイアリーについて話をしたりもします。フードダイアリーとは、朝昼晩何を食べていて、どんなものを飲んで、何のサプリを飲んでいるのか、他に体の症状を書いたり、排便の有無を書く欄などもあります。

 

どの食事をすると24時間以内にどんな症状が出てくるのか、というものを見ながら食事内容を見直します。他には遅延型アレルギーテストを受けてもらって、その人のテイラーメイドのトリートメント方法を模索していきます。

 

また、ボディー、マインド&スピリットではないですが、精神的、感情的なサポートはものすごく大切で、また、それがナチュロパシーの得意とするところでもあります。なので、そういった面でもサポートできればと思います。

 

●やはり毒素がたまっている人は多いのでしょうか?

日本はとても多いです。大気中の環境ホルモン量も、都内だと外国の都市部の数十倍の濃度だと言われていますので、息を吸っているだけでも入ってくる量が違います。なので、体内の環境ホルモンを改善するだけでもずいぶん変わってくると思います。

 

●ご自身の重度のアレルギー性鼻炎は改善されたのですか?

もう十何年も症状は出ていません。自分でも知らなかったのですが、小麦粉と乳製品がダメだったんです。でも好きで普通に食べていたので、それを排除すると症状はなくなりました。腸のトリートメントなどもして、ある程度は食べられるようになったのですが、毎日食べると症状が出てきてしまうので、摂取量を考えて食事をしています。

 

●食べ物の調節やアロマテラピー、瞑想といったもので意識を変化することは、アンチエイジングにつながると思いますか。

関係あると思います。私は20代後半の時より体力もありますし、サーフィンをしていますが当時より肌もきれいになったと思っています。

 

市販の日焼け止めには合成の界面活性剤等が入っているため、なるべくナチュラルなものを使うようにしています。またアンチエイジングのために、ビタミンCやフィトケミカル等の摂取に気を使うようにしています。

 

●オーストラリアではナチュロパシーとメディカルドクターはどのように連携しているのでしょうか。

オーストラリアには複合医療施設というものがありまして、1つのクリニックの中にドクター、ナチュロパス、鍼灸師、管理栄養士というような専門家がいて、それぞれが連携して仕事をしています。

 

受付に行ってまずお医者さんに会うと、お医者さんが“リィファーレル”といってあなたはナチュロパスのところに行きなさいといったような指示を出します。こういった感じで医療と連携をしているんです。

●先ほどの複合医療施設で、医師がナチュロパスに任せる疾患の代表的なものは何ですか?

アレルギーです。医師の方は食事のことやメディカルハーブのことはあまり詳しくないので、そういったアドバイスをナチュロパスに任せます。また、ホルモン系の疾患もよく診るので、不妊の方も多いです。

精神疾患も診ますが、精神疾患だと精神安定剤と併用してはいけないハーブや栄養素もあるので、少し難しいところもあります。

 

●費用はどのくらいかかるのでしょうか。

ナチュロパスにコンサルテーションを受ける場合は民間の保険が下ります。保険内容にもよりますが、だいたい50~70%くらいがカバーされるので、比較的受けやすいです。料金は施術によってさまざまで、初診はだいたい150$~350$くらい。保険を使うと高くても1万円くらいですね。

 

●例えば不妊治療をされている方が、オーストラリア旅行の傍らになみさんの所をたずねたりすることも可能なのでしょうか?

もちろん可能です。スタッフの中にはスカイプでコンサルテーションを行っている者もいますし、ナチュロパスの施術を実際に体験していただけます。

 

●オーストラリアは高度生殖医療が進んでいる国でもありますが、ナチュロパシーの仕事と高度生殖医療の連携というのはあるのでしょうか?

オーストラリアにはナチュロパシーの不妊治療クリニックというのがたくさんあります。一番有名なのはシドニーにあるジョセリンセンターです。ゴールドコーストにも有名なクリニックがあります。まずは一般の不妊治療治療を3年くらい受けられて、それでもだめだったらという人が多いです。

 

●最後に読者の方へのメッセージがあればお願いします。

こだわりすぎないということと、授かりものなので自分の体を信じることがまず大切だと思います。

私のクライアントさんでも何年もの不妊治療で悩み、あきらめようかという考えになる方がたくさんいらっしゃいます。でも、ご自身にはちゃんと妊娠できる力があります。もう一度妊娠するという潜在能力を戻せるように、ご自身の体を信じてみてください。

 

まとめ

松本さん曰く、自分は皮膚とかボロボロだったし、本当に大変だったとのことですが、今はそんなことも微塵も分からないぐらい輝いておられます。実年齢も伺いましたが、まったくわからないぐらい見た目年齢との違いがあります。

 

ナチュロパスという仕事がいかに人を健康に輝かすのかということをご自身で表現されていると思いました。また、オーストラリアではナチュロパスを主体とした不妊専門クリニックもあるそうです。ぜひ機会があれば見に行きたいと思いました。その際はまた、記事にしたいと思います。

 

松本さん、貴重なお話を頂き、ありがとうございました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 

関連サイト

ナチュロパスなみのHealthy Life

http://ameblo.jp/namstar/

 

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