不妊治療やアンチエイジングに影響のあるAGEとはどんなもの?

最近、にわかに注目されているAGE。実は、不妊治療と密接な関わりがあるということが知られてきています。今回は、AGEの概要や体に及ぼす影響、そして不妊との関係について取り上げてみたいと思います。

●わたしたちの体の老化に関わっているAGE

AGE(Advanced Glycation End Products)とは、終末糖化産物と呼ばれる物質で、「タンパク質と糖が加熱された結果できた物質」のことを表しています。つまり、わたしたちの体内にある“糖”と“タンパク質”が体温によって結びついて出来上がるのです。

ちなみに、この変化は可逆性なので“糖化”が起こったとしても、また元に戻ることができます。
しかし、糖質が多い食事や、必要以上のカロリーを摂取していることが多いなど、血糖値が高い状態が長く続くとそれだけたくさんの糖化が起こり、しまいにはタンパク質も変性して元に戻れなくなってしまいます。

●AGEがわたしたちの体にもたらすもの

では、なぜAGEがいま注目されているのでしょうか。

わたしたちの体を構成する成分をみてみると、一番多いのは水分で約7割。そして、タンパク質はなんと2割も占めているのです。
体を構成する髪の毛や骨、臓器や各種ホルモンなどは、どれもタンパク質でできていますので、健康な体を維持するためには、タンパク質の存在が必要不可欠だということはわかっていただけのではないでしょうか。

糖化によって作られたAGEは強い毒性をもち、血糖値を上げるほか、血管の硬化による動脈硬化や骨粗しょう症など様々な疾患を引き起こしてしまいます。さらに、髪のツヤはなくなり皮膚にもハリがなくなってしまうので、年齢以上に老け込んで見えてしまうこともあるのです。

●不妊との関係は?

AGEと不妊の関係について言及した研究や論文は、他のものと比べると未だそれほど多いとは言えません。しかし、昨年の11月には、日本生殖医学会にて「AGEの蓄積は、体外受精や顕微受精といった高度補助医療であるARTの治療成績と関係がある」との発表がなされるなど、現在、とても注目されています。

この発表では、不妊原因を有していない人よりも、子宮筋腫などの不妊原因を有しているグループのAGE値が高かったこと。AGE値が高いグループでは、卵胞が成熟する過程で分泌されるホルモンのAMH値が低かったことなど示され、AGE値が妊娠しやすい体づくりの目安の一つになるのではないかということが提示されています。

わたしたちは、昔と比べると便利で快適な生活を手に入れることができました。しかし、その恩恵と引き換えに、運動不足や添加物が多く含まれた食品を口にする機会が増えているのも事実です。
いずれも、妊娠にとってプラスに働くものではありません。すぐには難しいかもしれませんが、これを機会に生活習慣の改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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