不妊治療にも使われるピルってどんなお薬なの?

<ピルとは?>

ピルは経口避妊薬のことを指し、1960年にアメリカで初めて発売されたのを皮切りに、今では世界中で多くの女性が服用している薬です。

日本においてはもっと遅くから使われ始め、当初は避妊を目的としたものではなく月経不順などの月経に関わる症状に対して使われていたために、含まれているホルモン量が多く副作用の発現率も高くなっていました。

その後、日本でもよりホルモン量を少なくし、避妊を目的とした低用量ピルが認可されたことで、より使いやすくなっています。ピルには卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)と同様の成分が含まれていますが、含まれる卵胞ホルモンの含有量によって、大別されます。具体的には、卵胞ホルモン量が50μグラムのものを中用量ピル、それ未満のものを低用量ピルとして分類されています。

くすり
<どのような働きをするのか?>
ピルを服用することでこれらの血中濃度が高まり、妊娠時と同じようなホルモン状態を作り出します。そのため、脳から卵巣へのホルモン分泌が停止するので、卵胞の成熟が止まり、排卵が起こらないため避妊に対して効果があります。

また、ピルは排卵を起こさないだけではなく、子宮内膜が厚くなることを防ぐことで子宮が妊娠しにくい状態を作り出します。さらに、子宮頚管から分泌される粘液量が増え精子の侵入を防ぐ効果もあるため、複合的な要因により避妊に対して効果的を発揮します。

その他の大きなメリットとして、ピルを飲む事で生理周期が一定になり、月経痛が緩和することがあげられます。避妊目的以外にも、月経周期を一定にし、月経痛が緩和されるなどメリットの多いピルですが、そのデメリットについても認識しておく必要があります。

具体的には副作用の部分で述べますが、極めて少ないとはいえ血栓症や頭痛、嘔吐、不正出血などのリスクもあります。このような症状が出た場合は、医師とよく相談してください。

現在では広く使われているピルには、実は多くの種類が存在します。
次に代表的なピルの分類について、記載していきます。

Young woman taking vitamins ginseng pill

<黄体ホルモンの種類における分類>
ピルは、開発された黄体ホルモンの古い順に第1世代、第2世代、第3世代と区別されています。

第1世代のピルは黄体ホルモンと同等の成分としてノルエチステロンを含み、卵胞ホルモンを50μg以下まで抑えています。その代わり、黄体ホルモン量が多いことが特徴です。

第2世代のピルは黄体ホルモンと同等の成分として、レボノルゲストレルが含まれています。効き目がしっかりある反面、男性化症状(アンドロゲン作用)がみられるため、1シートで服用するピルのホルモン量を変化させることで対処しています。

第3世代のピルは、第2世代のピルの弱点を克服するために開発されたデソゲストレルなどの黄体ホルモンを含んでいます。

この他、第4世代の超低容量ピルとしてドロスピレノンを含むヤーズが発売されていますが、日本において避妊での適応はなく、月経困難症に対しての処方薬となります。

<偽薬の有無についての分類>
ピルには、1シートの錠剤が21錠タイプと28錠タイプの製品があります。28錠タイプでは、初めて服用する方や、飲み忘れが心配な場合に効果的であり、 7錠の偽薬(プラセボ)がついています。

<ホルモンの含有量変化についての分類>
ビルには21錠の錠剤がみな同じホルモン量である製品があります。このようなピルを1相性ピルといい、中用量ピルは全て1相性となります。

2種類に分かれているピルは2相性ビルと呼ばれ、ホルモン成分が2段階に変化します。これは自然のホルモン変化に最も近いものとなります。

3種類に分かれているものは3相性ピルといい、ホルモン量が1シートで3段階に変化します。このホルモン量の変化の仕方は、各製品によって異なります。

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コメント

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  1. 2016年 1月 18日

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