ゴナドトロピン製剤:hMG製剤ってどんなお薬なの?

<hMGはどんなお薬なのか?>

下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH, Follicle-stimulating Hormone)と黄体化ホルモン(LH, Luteinizing Hormone)のことをゴナドトロピンいいます。これらのホルモンにより卵子が育ち、排卵後に黄体が形成されます。

この人のホルモンを抽出したものがhMG製剤です。hMGは尿由来のFSHとLHが混在した製剤になります。日本で初めてhMG製剤が発売されて、すでに46年が経過しているので、先生方としてはよく知っている使い慣れた薬と言えます。

またFSH製剤は卵胞発育に関わるFSH(卵胞刺激ホルモン)だけを遺伝子組み換え技術で抽出し、製剤化したものになります。

どちらも卵巣における卵胞を発育させる働きを持ち、患者さんの状況によって使い分けられています。

以下、厚生労働省管轄 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の情報を活用し、説明させて頂きます。

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<製品名>

★hMG製剤

HMG「TYK」100注用

*販売元/テバ製薬株式会社

*製造販売元/大正薬品工業株式会社

更新日:2013年03月01日

処方せん医薬品

 

HMG「TYK」75注用/HMG「TYK」150注用

*販売元/テバ製薬株式会社

*製造販売元/大正薬品工業株式会社

更新日:2013年03月01日

処方せん医薬品

 

HMG注テイゾー75/HMG注テイゾー150

製造販売元/あすか製薬株式会社

販売/武田薬品工業株式会社

更新日:2013年02月20日

処方せん医薬品

 

HMG注射用150IU「フェリング」

製造販売元/フェリング・ファーマ株式会社

更新日:2014年04月18日

処方せん医薬品

 

HMG注射用75IU「フェリング」

製造販売元(輸入)/フェリング・ファーマ株式会社

更新日:2014年11月12日

処方せん医薬品

 

HMG筋注用75単位「F」/HMG筋注用150単位「F」

製造販売元/富士製薬工業株式会社

更新日:2013年02月21日

処方せん医薬品

 

<一般名(成分名)>

日局 ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン(閉経後婦人の尿由来):HMG

 

<作用は?>

hMGもFSHも卵巣に作用して原始卵胞より発育卵胞を形成する目的で処方される。

 

<効能効果>

  • hMG製剤

間脳性(視床下部性)無月経・下垂体性無月経の排卵誘発

 

<用法用量>

  • hMG製剤

1日卵胞刺激ホルモンとして75~150単位を添付の溶解液で溶解して連続筋肉内投与し、頸管粘液量が約300mm3以上、羊歯状形成(結晶化)が第3度の所見を呈する時期を指標として (4~20日間、通常5~10日間)、 ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンに切り換える。本剤の用法・用量は症例によって異なるので、使用に際しては厳密な経過観察が必要である。

 

  • 生殖補助医療での使い方

生殖補助医療でのhMG(FSH)製剤の使用法は、月経開始後3~5日目から注射を開始し、1日300~75単位を7~10日間連日投与します。卵胞の発育を見ながら採卵の前まで投与を続けます。

hMG製剤とFSH製剤には、それぞれの特徴があり、薬剤は治療を受ける人の体質や年齢にマッチした製剤が選ばれます。

 

<薬の歴史>

日本初のhMG製剤はヒュメゴン。

1968年 8月、日本初の下垂体性性腺刺激ホルモン剤「ヒュメゴン」発売

その後、日研HMG(発売 1981年 HMG)、フェルティノーム(発売 1990年 FSH)、HMG富士(発売1997年 HMG)、HMGテイゾー(発売2001年 HMG)と続きましたが、2007年にクロイツフェルトヤコブ病の影響で、ヨーロッパの尿を原料としているヒュメゴン・フェルティノームは発売中止となった。

2008年よりHMG注射用75IUフェリングが発売となり、現在では最も現場で使われているhMG製剤となっている。

 

以上

 

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