不妊症とクラミジア感染について(1)~クラミジア感染症とは?
クラミジア感染症は10代~30代前半の女性を中心に増えてきている性感染症で、女性の性感染症の中では、最も多く、20代前半では性交経験のある人の5~10人に1人は感染していると言われています。地域によっては30~40%というところもあり、決してまれな疾患ではありません。
基本的にはセックスで感染しますが、最近ではオーラルセックスでのどに感染するケースも少なくありません。
症状がほとんど出ないために、妊婦健診で検査をしてみて初めて感染に気づくというケースも多いパターンです。クラミジアによる卵管炎は命にかかわるものではありませんが、その後の後遺症が不妊や子宮外妊娠、慢性骨盤痛などの原因になることがあります。
クラミジアは細菌に分類される小微生物(直径300~1000nm・ウイルスより少し大きい)で、グラム陰性細菌に類似した微生物です。クラミジアは特異な増殖形態を持ち、人の細胞に感染すると細胞内に進入し、細胞質内で分裂増殖を行います。
48~72時間程度で増殖し、クラミジアは細胞を破壊し細胞外へ放出され、外へ出たクラミジアは他の細胞へと入り込み更に増殖を行って繁殖していきます。
そしてクラミジア属はpneumoniae, psittaci, pecorum, trachomatisとありますが、性感染症の原因となるものはtrachomatis(トラコマ-ティス)だけです。
性別によるクラミジアの特徴
性別 | 女性 | 男性 |
無症状の割合 | 約80% | 50~60% |
潜伏期間 | 1~3週間 | 1~3週間 |
症状 | 普通は無症状· 症状があっても、おりものが少し増えたり、軽い生理痛のような痛み、不性器出血など。黄色い濃いおりものがでることもある。 | 症状は軽く、尿道がむずがゆくなったり、排尿時に軽い痛みがある程度。尿道炎· 副睾丸(精巣上体)の圧痛や痛みなど。 |
感染が進行すると | 子宮頸管炎、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎などに進行。· 不妊、流産、早産などの原因になる。 | 尿道炎から精巣上体炎、陰嚢の腫れなど、男性不妊の原因になる。 |
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