不妊治療薬を製造販売している製薬企業紹介シリーズ~バイエル薬品

このサイトでご紹介しているお薬は、ドラッグストアなどで気軽に購入出来ないものばかりです。

なかなか忙しくて病院に行く暇がないので、会社帰りに買えたら便利だと感じている場合もあるでしょう。病院で医師の診断をもとに処方された薬剤は、「処方薬」や「医療用医薬品」と呼ばれ、ドラッグストアで購入可能な「市販薬(一般用医薬品)」」と比較して、効き目が強く、副作用に注意が必要なものになります。

そのため、医師が症状や体質・年齢などを勘案して、処方する薬剤の種類だけでなくその必要量も判断するのです。
ドラッグストアで手に入る市販薬の中にも効き目が強く、副作用に注意が必要なものは薬剤師の説明を受けずに買うことはできません。

店頭で「薬剤師が不在のため購入出来ません」と言われた場合もあるのではないでしょうか。そして実は、市販薬の中にも、元々は処方薬だったものもあります。それらは「スイッチOTC薬」と呼ばれ、処方薬としての実績をもとに安全に使用できると判断されたものになります。

このような薬剤は、アレルギー薬や胃腸薬など比較的身近な疾患に多く存在します。今回、ご紹介する企業は「バイエル」というドイツの企業です。

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<バイエルの歴史>

バイエルグループはドイツのレバクーゼンを拠点とした企業であり、医薬品のみならず化学やバイオテクノロジーを生かした事業を展開しています。

バイエルの起源は1863年に遡り、実業家フリードリフ・バイエルとヨハン・フリードリヒ・ウェスコットが、ドイツのバルメン(現ブッパータール)に設立した染色工場を起源としています。1881年には、バイエルとウェスコットの子孫により、これまでのフリードリヒ・バイエル商会が、ファーベンファブリケン株式会社となります。

医薬品部門の創設は1888年であり、その約10年後の1897年、バイエルの科学者フェリックス・ホフマンがアスピリンの有効成分である、アセチルサリチル酸を科学的に純粋で安定した形で合成することに初めて成功します。

1899年、アスピリンが商標登録され、その後の画期的な医薬品創製の幕開けとなります。
アスピリンは、今でも世界中で鎮痛剤の代名詞になるほど認知されています。

1925年、ファーベンファブリケン株式会社が他社と合併し、IGファルベン社が発足します。しかし、第二次世界大戦後に連合軍に接収され、後に解体してしまいます。

1939年、バイエルの研究者ゲルハルト・ドーマクが、スルフォンアミド(プロントジル)に抗菌作用があることを発見し、ノーベル生理学・医学賞を受賞します。

1951年、ファーベンファブリケン・バイエル社として再スタートを切ります。さらに、1972年には社名をバイエルAGに変更し、国際的に事業を拡大していきます。

2006年に入り、バイエルはシエーリング社買収オファーを発表して株式を取得し、社名をバイエル・シエーリング・ファーマ社に変更します。そして、2008年にはドイツ・バイエル社とバイエル・シエーリング・ファーマ社の医療用医薬品事業が統合されることとなり、一つの法人となりました。

アスピリンを開発した会社として有名です。

アスピリンを開発した会社として有名です。

<バイエル(日本)>
日本のバイエルグループは、3つの事業からの成り立っており、ヘルスケア、農業関連、素材科学を中核としています。いずれの分野においても、世界的な競争力を生かした事業を展開しています。

医薬品を取り扱うバイエル薬品株式会社(以下、バイエル社)はバイエルグループのひとつであり、医療用医薬品のみならず動物用医薬品の開発や製造販売も行っています。

バイエルの医薬品が本格的に日本に輸入されたのは1899年であり、明治時代にまで遡ります。その後、1972年に「バイエル・マイステル・ルチウス薬品合名会社」を設立し、医薬品・農薬を扱うようになったのが現在のバイエル薬品株式会社の始まりです。

現在、バイエル社が扱っている医療用医薬品は、循環器や腫瘍・血液、ウィメンズヘルスケア領域、眼科領域を柱にしており、特にウィメンズヘルスケア領域では、様々なライフステージに応じた女性のQOL向上を支える医薬品の提供を行っています。

バイエル社は、エストロゲン製剤のジュリナ®0.5mgやウェールナラ®配合錠*、
高プロラクチンによる様々な症状に用いられるテルロン®錠0.5が発売されています。

また、経口避妊剤の低用量ピルとしてトリキュラー®錠21/28、超低用量ピルのヤーズ®配合錠があります。
また、この他にはカンジダの治療薬であるアデスタン®膣錠300mg、子宮内に挿入する避妊リングのミレーナ®52mgがあります。(*黄体ホルモンも一緒に含まれているエストロゲン製剤)

<バイエルと不妊治療>

上記にも書いたとおり、バイエル社は日本においていくつかの不妊治療向け製剤を販売しています。
ウェールナラ®配合錠
(エストラジオール・レボノルゲストレル錠)

ジュリナ®錠0.5mg
(エストラジオール錠)

テルロン®錠0.5
(テルグリド錠)

トリキュラー®錠21/28
(レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール錠)

ヤーズ®配合錠(ドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠)

アデスタン®膣錠300mg
(イソコナゾール硝酸塩膣錠)

ミレーナ®52mg
(ノボレルゲストレル放出子宮内システム)
バイエル社は不妊治療領域において実に幅広い製品を提供するだけではなく、医療関係者以外の方へ向けた情報提供が充実していることも特徴です。

その一つとして、バイエルエルスミュージアムというサイトがあり、ここでは疾患や販売している製剤に関わる知識をわかりやすく解説しています。

また、社会貢献の一環としてバイエルグループは、2002年から「ふしぎからはじまるサイエンス」というプログラムをスタートしています。

これは体験・質問型の理科学習を通して、次世代を担う子どもたちに自然に備わった科学的好奇心を高め、化学の理解力向上を図ることを目的としています。

具体的な活動として、全国24,000校の小学校に実験ガイドブックの無料配布を行い、実際に同ガイドブックを使用してバイエルの社員が理科の授業を行うなどしています。

<関係サイト>

バイエルヘルスミュージアム
http://hm.bayer.jp

バイエル社WEBサイト
http://www.bayer.jp

バイエル薬品株式会社WEBサイト
http://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/index.php

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