薬とサプリメントの違いについて

よく頂く質問の中で「サプリメントは薬なのですか?」という質問がありますが、この質問の回答は「一部分は正しくて、その他は大きく違う」となります。

 

まず、正しい部分はサプリメントの多くは栄養素(ビタミン・ミネラル)です。ビタミン製剤や補酵素(コエンザイムQ10)のようなものも古くから薬として販売処方されていますのでこの部分は同じと言えます。

 

大きく違う点は薬の開発には莫大な費用と手間がかかっている点と法律上ではサプリメントは食品と分類されており、食べ物と同じ扱いということです。薬と食品の中間地点と思われている方が多いですが、基本的には食品です。

出来れば栄養は食事から摂りたいものです。

出来れば栄養は食事から摂りたいものです。

 
候補化合物のうち、実際に薬になるのは約3万分の1。研究開発を始めてから薬の誕生までには、なんと9~17年の月日を必要とします。各製薬会社は年間に数百億円から1000億円以上もの研究開発費を投じて、薬の研究開発を進めています。くすりの研究開発が、いかにリスクの大きな分野であり、新薬の開発がどれほど困難かを理解することが出来るかと思います。

 

ひとりの研究者が一生をかけて研究を続けても、複数の新薬の開発に成功することは稀だといわれるほど、長期にわたり根気のいる作業だということです。薬の開発は本当に奇跡と言われる理由です。

 

一方、サプリメントの開発は極めて簡単です。開発費もそんなにかからず、早ければ3ヶ月ぐらいで作り上げることが可能です。食品成分の組み合わせの問題だけですから。

 

だから多くの企業がサプリメントをどんどん開発し、宣伝して販売しているという訳です。

 

よって、薬とサプリメントの持つ価値と役割が違うことをしっかりと理解し、薬は治療のために使う、サプリメントは栄養素で自分のカラダの健康維持のために活用することを理解していくことが必要です。

 

人によっては「サプリメントだけ飲んでいれば妊娠するんだ!」という変な宣伝に乗ってしまう方もおられますが、それは明らかに勘違いということです。

 

よって、薬の活用はきちんと分かっている医師・薬剤師の処方と相談が必要ですし、サプリメントも出来れば医師や専門家の意見に耳を傾けるべきです。

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