不妊治療薬を製造・販売している製薬企業の紹介シリーズ:フェリングファーマ

このシリーズは不妊治療薬をどんな会社が開発・販売しているのかを紹介するものです。いつも使っている薬はこんな会社が作っているんだということを知ってもらいたいと思いました。皆さんの中ではご存知の方も多いと思いますが、薬の開発は本当に大変な時間と人の労力とお金がかかっています。それはお役に立てる薬を開発し、人に貢献するという思いから成り立つものです。そういう製薬企業の理念の部分もぜひ知って頂ければと思います。

ドラマなどでたいてい悪者になってしまう製薬企業ですが、もともとの誕生のきっかけは人を助けたいという思いからスタートしていることが多いのです。そういうことも徐々に分かって頂けると幸いです。

 

今回、ご紹介する企業は「フェリング・ファーマ」というスイスの企業です。

 

<フェリングファーマの歴史>

フェリング社創業者である科学者フレデリック・ポールセン博士は、1909年にドイツで生まれ、キール大学(ドイツ)に医学を専攻しました。当時、医師はヨーロッパのどの国でも従事することができる専門職でした。

 

1935年、彼は26歳の誕生日にスウェーデンに移住し、ホルモンに関する研究を開始します。ポールセン博士の研究成果は、スウェーデン人の同僚の間で徐々に認められるようになり、やがてランド大学の常勤講師となりました。

 

1940年代、ポールセン博士は、その当時、多くの研究者が取り組んでいたホルモンの一般的研究から退き、ペプチドホルモンに特化した研究をスタートさせました。

 

1948年、アメリカ人の2人の研究者が、下垂体前葉から放出される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が喘息と関節痛に劇的な治療効果を示すことを発見し、ペプチドホルモンの真の商業的価値が見出されました。

 

ストックホルムの生化学研究所で研究を行っていたポールセン博士とその研究助手のエバ・フランドセンは、ACTHの製造化に成功しました。

 

ポールセン博士は、自らのACTH製造に関する知識を多数の大手製薬会社に提供していましたが、1950年に自ら会社を興すことを決意しました。こうして設立した「Nordic Hormone Laboratory」は、後に「Ferring(フェリング)社」と名称を変え、製薬企業としてのスタートを切ることになります。

 

日本におけるフェリング・ファーマ株式会社は、スイスに本社を有するフェリング・ファーマシューティカルズ社(以下 フェリング社)の日本法人として、2001年2月に設立されました。

 

ポールセン博士は、60歳になるとフェリング社の事業から退き、その運営を末息子のフレデリックに譲っていきます。ポールセン博士と夫人であり研究者でもあったエバは、一族の故郷であるFöhr島に隠居し、そこから新しい分野への研究を続けるフェリング社を見守ると共に、Föhr島の歴史と文化の保存に力を注ぎました。 博士が愛したFöhr島に古くから住む人々は、ゲルマン系言語であるフリージア語で’Ferrings’と呼ばれており、フェリング社の社名はこの言葉に由来しています。

<関連リンク>

Föhr島

Föhr島公式サイト

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<フェリングファーマ(日本)>

フェリング・ファーマ株式会社は、スイスに本社を有するフェリング・ファーマシューティカルズ社(以下 フェリング社)の日本法人として、2001年2月に設立されました。

フェリング社の “People come first at Ferring - すべては「人」からはじまる”という企業理念の下に、特に産婦人科、泌尿器科、消化器科及び内分泌科の四領域を重点領域として、アンメット・メディカル・ニーズ、すなわち世界の未だ満たされていない医療ニーズに対して革新的な治療薬を提供する、価値のある製薬会社を目指しています。

現在は、不妊症領域と小児科・泌尿器科領域を主な柱として、医薬品事業を展開しています。

97の国と地域でMENOPUR®の名で広く承認販売されているHMG注射用75IU/150IU「フェリング」(ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン製剤)と、尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症の適応を持つミニリンメルト®OD錠120μg/240μg(デスモプレシン口腔内崩壊錠)の2つの製品の製造販売元となっています。

 

ミニリンメルト®OD錠は、フェリング社が開発し、協和発酵キリン株式会社が導入・販売している他のデスモプレシン製剤(点鼻液、スプレー、注射液)と合わせて、協和発酵キリン株式会社とコ・プロモーションを行っています。

そして、2014年 不妊治療向け黄体ホルモン製剤ルティナスを自社製造・発売開始しています。

 

<フェリングファーマと不妊治療>

上記にも書いたとおり、フェリングファーマ社は日本において3つの不妊治療向け製剤を販売しています。

HMG注射用75IU・150IU「フェリング」(ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン製剤)

プロゲステロン腟錠 ルティナス腟錠100mg(プロゲステロン製剤)

ヨーロッパにおいてブランドを確立している製品ですので、日本でも先生方に支持されている製品とも言えます。特にルティナスは日本で初めてのプロゲステロン膣錠製剤なので、非常に注目されているところです。

<関連サイト>

フェリングファーマWEBサイト

 

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