なぜ月経痛や頭痛で使う鎮痛剤(非ステロイド系鎮痛消炎剤)は胃に副作用が出やすいのか?
頭痛や月経痛があるとき、痛み止めの薬を飲む人は多いですよね。特に、これらの薬は病院に行かずとも近くの薬局で気軽に購入できますので、常用している場合もあるでしょう。
単発で使用しているのであれば、それほど気にする必要はないかもしれませんが、鎮痛剤を常用しているような場合は要注意です。
なぜなら、これらの薬は無自覚のまま、胃に負担をかけてしまっていることがあるからです。
●鎮痛剤の非ステロイド系鎮痛剤とは?
痛みを抑える薬として広く使われているのが、非ステロイド系鎮痛剤です。
別名、NSAIDsともいわれますが、一体どのような働きをする薬なのでしょうか。
痛みを感じるとき、そこには損傷している組織が存在しています。そこから、いくつかの化学反応を経てプロスタグランジンという物質が放出されるのですが、これが痛みを引き起こす原因となります。
一見、やっかいなようにみえるプロスタグランジンですが、女性の体にとっては非常に大切な役割も担っています。その役割とは、月経時にプロスタグランジンが子宮内膜から分泌されることで、不要となった子宮内膜の血液を体外に排出するという働きです。そのため、月経時には特に痛みを感じやすくなります。
●プロスタグランジンの生成を抑えるには?
体内に存在するアラキドン酸からプロスタグランジンは作られますが、ここで重要な働きをしているのがCOXという酵素です。このCOXの作用を抑えることができれば、プロスタグランジンの産生を防ぐことができ、結果的に痛みを抑えることにつながります。
まさに、その効果を期待して作られた薬が非ステロイド系鎮痛剤であり、COXの働きを阻害することで痛みを取り除くのです。
●NSAIDsと胃の関係
COXは、血管の拡張や発熱、胃粘膜の保護などに関係している酵素です。そのため、NSAIDsを服用すると胃粘膜保護作用がなくなりますので、様々な胃の不調を感じるのです。
また、NSAIDsが直接、胃粘膜に接触することで加わる刺激も要因の一つとなっています。
NSAIDsでみられる胃腸障害には、次のようなものがあります。
- 腹痛
- 食欲不振
- 潰瘍
- 下痢
中には、胃腸障害を発症しながら無症状のこともあります。従って、漫然と続けて使うことのないようにしましょう。定期的に内視鏡で検査を受けることもオススメです。
近年では、胃腸障害の少ないNSAIDsもみられるようになりました。ですが、他の副作用が発現する可能性はありますし、血栓ができやすいという報告もあるようです。
月経痛や頭痛は生活習慣の見直しでも改善が期待できます。ぜひ、以前ご紹介した次の記事も参考にしてみてくださいね。
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