不妊治療する前に治しておきたい〜性器カンジダ症の基礎知識

常在菌であるカンジダ菌が何らかのきっかけによって性器で増殖し、様々な症状を引き起こすのが性器カンジダ症です。男性よりも女性のほうが罹患する率が高く再発率も高いこの疾患は、直接的に不妊の原因となるわけではありませんが、やはり治しておかないとやっかいなことに変わりはありません。

●性器カンジダとは?
真菌の一種であるカンジダ菌は特別珍しいものではなく、口や膣など体の中に元々存在しています。通常その数は、他の菌とのバランスがとれた状態にあるのですが、生活習慣や食生活の乱れ、抗生物質をはじめとした薬物の使用や免疫力の低下などによって増殖することがあります。
カンジダ菌が性器で増殖してあらゆる症状を引き起こしたものを性器カンジダ症と呼んでいますが、時に、皮膚や口内などで症状を呈することもあります。

●どのような症状があらわれるの?
女性の場合は性器に強い痒みや炎症がみられます。また、カッテージチーズやヨーグルトのようなおりものが増えることもあります。場合によっては、排尿時や性交時に痛みを伴うこともあるでしょう。
男性の場合は自覚症状がないこともありますが、症状は亀頭に集中し、痒みや炎症、発疹や水疱などがみられます。

痒いからといって引っ掻いていると、小さな傷ができてさらに症状がひどくなることもあるので注意しましょう。

●どのような治療を行うの?
軟膏やクリームの抗真菌剤を塗って治療を行います。また、女性の場合は必要に応じて、膣剤の使用や膣内の洗浄を行うこともあります。

性器カンジダは薬物による治療も大切ですが、常在菌とうまく付き合っていくという面からみても、生活習慣を今一度、見直してみることも有効です。
毎日、締め付けるような下着を身につけている場合は、むれにくく通気性の良い下着に変えてみましょう。また、カンジダ菌は湿気と相性が良いので、患部を乾燥させるように保つことも効果的です。

カンジダ菌は一時的に増殖したものの、免疫力の向上により自然治癒することもあります。しかし、それでも症状が長く続くようであれば、やはり医師の診察を受けることをお勧めします。

●不妊との関係は?
性器カンジダにかかっているからといって、不妊症になるわけではありません。
しかし、カンジダ菌によって膣内の精子が死滅してしまったり、新生児へ産道感染してしまうこともあります。胎児へ感染してしまうと皮膚炎や、新生児の舌を中心とした口内に白いカスのようなものができる鵞口瘡(がこうそう)を引き起こすこともあるので、やはり予め治しておきたいですよね。

性器カンジダは決して珍しい病気ではありません。
そのため、その原因や症状について知っておくことはとても大切ですし、知識があるからこそ、ごく初期段階でも気付きやすくなるといえます。
心配のタネは、不妊治療から出産まで見据えて、事前に摘んでおきたいところですね。

 

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