不妊治療とホルモン(5)~成長ホルモン
近年の日本において女性の活躍は目覚ましいものがあり、今や男性だから女性だからという枠にとらわれることは減りつつあります。
しかしながら、それに伴い女性が持つ悩みは深くなってきているのではないでしょうか。
例えば、顕著なのが結婚や子供を産むタイミング。これらも含めて実際に、自分の意思だけでは決めにくい事柄が増えてきているのです。
子育て環境の不自由さも相まって、妊娠出産の年齢は一昔前より格段に上がっています。当然、年齢の上昇とともに、外見だけではなく身体の機能も低下し始めている時期でもあるのです。
若返りとまではいかなくとも、少しでも老化を防いで生殖機能を維持させたい。その願いを、成長ホルモンが叶えてくれるかもしれません。
● 成長ホルモンとは?
みなさんは成長ホルモンと聞いて、どんなイメージをもちますか?
子供が成長していく過程で活発に分泌され、身長を伸ばすような役割を果たしていると捉えている方が多いのではないでしょうか。
もちろん、それは正解です。ですが、それだけではありません。
実は、成長ホルモンは大人でも分泌され、非常に重要な役割を果たしているのです。
成人における成長ホルモンの働きは主に、損傷した組織の修復やそれによって得られる免疫力の向上、老化予防などです。
つまり、若々しく健康な状態の維持に貢献しているホルモンだといえるでしょう。
私たちにとって必要不可欠な成長ホルモンですが、十分な分泌量を確保には“睡眠”がカギを握っています。
睡眠時、特により深い眠りであるノンレム睡眠時は成長ホルモン分泌のゴールデンタイムであり、この時間をしっかりと確保できていなければその恩恵に預かることができません。
つまり、他の記事でも触れていますが、太陽の動きに逆らって日が沈んでからの活発な行動は、ホルモンバランスの崩れを招いてしまうのです。
● 不妊治療と成長ホルモン
成長ホルモンの分泌は、妊娠するために必要なFSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体刺激ホルモン)、そして、それらに刺激を受けた卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌を促します。
これらのホルモンが活発に分泌されることで、妊娠に関連するホルモンの活性化につながるのです。
また、人生を少し遡って、小学校の高学年頃から始まる第二次性微期を思い返してみてください。夜更かしばかりせずに早寝早起きを実行していたでしょうか。
第二次性微期というのは、男女ともに生殖期間を成熟させる大切な時期です。この時期の睡眠の質や量は、それ以降の生殖器官の機能に影響を及ぼす可能性も孕んでいるのです。
この成長ホルモン、若い時には活発に分泌されていますが、残念ながら、30代40代と年齢を重ねるに従って徐々に減少していきます。
ですが、規則正しい生活や十分な睡眠、バランスのとれた食事は分泌低下を緩やかにさせることができます。
バランスの良い食事にはぜひ、アミノ酸のひとつであるアルギニンを取り入れたいものです。
このアルギニンは体内でも作られ成長ホルモンの分泌を促すのですが、やはり年齢と共にその量も低下します。従って、外から良質なアルギニンを含む食品を積極的に摂ることで、より良い効果が期待できます。
例えば、良質なタンパク質であるマグロの赤身やささみ、豆腐や納豆などの大豆製品はその代表です。それらを食すと同時に、余分な糖質や脂質は控えるようにしましょう。
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