不妊治療する前に治しておきたい疾患~ヘルペスの基礎知識

性器に感染する疾患は多数ありますが、カンジダのように性器以外の場所で症状があらわれるものも少なくありません。
今回ご紹介するヘルペスも、性器だけではなく口唇や角膜、皮膚など体の各所に感染して様々な症状を引き起こす可能性を含んでいます。

●ヘルペスとは?
ヘルペスウイルスが感染することで、引き起こされる感染症のことを指します。
一口にヘルペスウイルスといっても、その数は8種類あります。中でも、口の周りや性器で症状があらわれる単純ヘルペスと、水ぼうそうや帯状疱疹を引き起こす水痘・帯状疱疹ウイルスがよく知られています。

●どのような症状があらわれるの?
唇の周りに感染して発症するものは、口唇ヘルペスと呼ばれています。
患部の直接的な接触のほか、タオルなどを介して感染することもある上に感染力も強いので、小さな子供にもうつることがあります。
感染すると、口の周りに赤みや痒みが生じたり、水ぶくれができます。

口唇ヘルペスの原因となるウイルスは単純ヘルペスウイルス1型ですが、性器に感染するのは同じ単純ヘルペスでも2型に分類されます。
このウイルスに感染することで男性は亀頭や陰茎、女性は外陰部や膣の入り口などの性器やお尻などに痒みや痛み、水ぶくれができます。また、女性の場合は排尿時に強い痛みを伴うこともあります。

初回の感染時に最も強く症状が現れ、発熱することもあります。そして、その後は神経節で息を潜めているのですが、ストレスや紫外線、抵抗力の弱まっているときを見計らって、再発を繰り返すことが特徴です。

●どのような治療を行うの?
ヘルペスウイルスの増殖や再発を抑制するため、バラシクロビルやアシクロビルといった内服の抗ヘルペスウイルス薬を中心に治療を行いますが、状況に応じて軟膏やクリームも用います。
また、初回の感染時など症状が重い場合には、入院してアクシロビルなどの点滴を施すこともあります。

●不妊との関係は?
不妊と直接的な関係はありませんが、出産時に新生児に産道感染し、新生児ヘルペスを引き起こすことがあります。
新生児は抵抗力が非常に弱いので、体内に入り込んだウイルスは全身に広がり、おっぱいを吸う力や活動力の低下、呼吸障害などを招き、時には脳症などの後遺症になってしまうこともあります。
致死率は非常に高く、9割ほど。早期発見、早期治療である程度は防ぐことはできますが、やはり感染させないに越したことはありません。

妊娠中に感染していれば時期をみて、薬によって治療を行うことになりますが、場合によっては帝王切開に切り替えることもあります。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ページ上部へ戻る