不妊治療に使われる漢方製剤について(2)
前回に続き、漢方製剤のご紹介をしていきたいと思います!
<ストレスにきく漢方薬>
加味逍遙散
不妊症の原因のひとつとして“ストレス”があげられますが、この漢方薬はストレスやなんとなく調子が悪いといった不定愁訴に効果を発揮します。
加味逍遙散はストレスによってバランスが崩れたホルモンの状態を整え、妊娠しやすい状態へと導きます。
また、虚弱体質の方に向いている漢方薬であり、精神の安定も得られることが特徴です。
効能又は効果
体質虚弱な婦人で肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症
冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症
用法及び用量
通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
<男性不妊にきく漢方薬>
補中益気湯
不妊治療において、漢方薬は女性ばかりではなく男性にも用いられる場合があります。
補中益気湯は、性ステロイド代謝系に強く作用することで、男性不妊の原因である精子の質を改善する効果があるだけではなく、元気がない、体力の低下等にも効果を発揮します。
効能又は効果
消化機能が衰え、四肢倦怠感著しい虚弱体質者の次の諸症:
夏やせ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随、多汗症
用法及び用量
通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
副作用
漢方薬は西洋薬と比較して副作用の発現頻度は低いとされていますが、副作用が全くあらわれないわけではありません。また、使用成績等を行っておらず発現頻度が不明なものが多いのですが、長年に渡る使用において安全性を確立している場合もあります。
何か普段と違う症状が出た場合は、すぐに医師へ連絡することが大切です。
副作用として、紹介した漢方ではいずれも発疹や腹痛や下痢、食欲不振などの消化器症状を示す場合があります。その他、各製品によって重大な副作用が発現する場合があり、主なものを下記に記載します。
温経湯(ウンケイトウ)
・ 偽アルドステロン症
・ ミオパチー
加味逍遙散
・ 偽アルドステロン症
・ ミオパチー
・ 肝機能障害、黄疸
・ 腸間膜静脈硬化症(長期投与した場合)又は便潜血陽性
補中益気湯
・ 間質性肺炎
・ 偽アルドステロン症
・ ミオパチー
・ 肝機能障害、黄疸
<詳細情報リンク(添付文書等の詳細はPMDA情報・企業情報)>
ツムラ加味逍遙散エキス顆粒(医療用)
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200017D1083_1_11/
クラシエ加味逍遙散エキス顆粒
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200017C1061_1_04/
ツムラ補中益気湯エキス顆粒(医療用)
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200131D1065_1_15/
補中益気湯エキス顆粒T
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200131D1103_1_13/
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