お薬手帳はなぜ必要なのか?

私たちは往往にして年齢を重ねるにつれ、病院へ行く機会が増えていくものですよね。

来院時の多くは処方せんが渡され、調剤薬局で薬を受け取ることになるのですが、このとき「お薬手帳を持っていますか?」と聞かれた経験があるのではないでしょうか?

しっかりと毎回、お薬手帳を持参する方。たまたまカバンに入っていた方、そして行く度に忘れてしまう方など様々かと思います。ですが、お薬手帳は毎回どの医療機関にも持参してこそ効果を発揮するもの。

そこで今回は、お薬手帳を持つべき理由についてご紹介していきます。

 

●お薬手帳とは?
そもそも、お薬手帳とはどのようなものなのでしょうか?

外観は様々なデザインがありますが、調剤薬局でもらえるものについては、表紙に「お薬手帳」と記載されています。その中には、処方元の医療機関や処方された薬の名前、用法用量などが書けるようになっています。

しかし、その外観に規定はありませんので、ご自身が日常的に持ち歩き便利な市販のノートなどを使う方もいらっしゃいます。その場合には、表紙にお薬手帳と大きく記載するなど、それがお薬手帳であることが明確にわかるようにしておきましょう。かかりつけ薬局で手渡されるサイズに合わせておくと、処方内容が書かれたシールもおさまりやすくなるかと思います。

またご自分で用意される場合は、これまでの既往歴や副作用歴、アレルギーを起こした薬や食品についても冒頭にわかりやすく書き込んでおきます。

特に女性の方であれば、本来の意味合いを損なわない程度に可愛くアレンジすることで、前向きな気持ちでクリニックへ向かうことができるかもしれませんね。

 

●お薬手帳の使い方とは?
医療機関や調剤薬局へ持参して活用することはもちろんのこと、常用しているサプリメントや市販薬があれば記載しておきましょう。

また、薬の情報と併せて、食品に関するアレルギーも記入します。なぜなら、薬は長期保存したり、安定化させるために添加物が含まれており、これらに反応してアレルギー反応を起こすこともあるからです。

さらに、お薬手帳は医師や薬剤師とコミュニケーションを取るツールのひとつにもなります。処方薬の効果が感じにくい場合や服用していて疑問に思ったことなど気付いたことをメモしておくことで、次回以降の受診時に生かすことができます。

 
お薬手帳

●お薬手帳のメリットとは?
一見、持ち歩くことが煩わしく感じるように思えるお薬手帳ですが、次のようなメリットを得ることができます。

*薬の重複や飲み合わせについて確認することができます
薬の中には、併用してはいけない組み合わせのものもあります。場合によっては重大な副作用を招くこともありますので、お薬手帳に毎回、処方薬や常用している薬の情報などを記載しておけば、このようなことを未然に防ぐことができます。

また、複数の医療機関を受診している場合は、似た作用をもつ薬が処方されていることもあります。同時に服用することで、体内に吸収される量が増えてしまい、思わぬ症状を呈することもあります。
 

* いつもと違う医療機関の受診時に、薬歴を参考にすることができます
かかりつけ医がいる方でも、旅先や休日、夜間に急に受診の必要が生じる場合もあるでしょう。このようなときは、普段の体の状態などを把握していないまま処方薬を決定することになります。
しかし、お薬手帳があれば、既往歴や処方薬などから健康状態を加味しながら使う薬を決めることができるのです。

また、転居時など新しい医療機関を受診し始める際にも同じことが言えるでしょう。
 

* 医師と薬剤師の二重チェックで、処方薬や量の確認ができます
薬の名前というのは、ひとつの薬剤に一般名と販売名があることに加え、同じ成分を含むものであっても、販売する製薬会社が違えば名称が異なるということが多々あります。さらに、違う領域の薬でありながら、似た名称をもつものも少なくありません。

決してあってはならないことですが、仮に処方時に名称の誤りがあったとしても、お薬手帳を持っていればこれまでの薬歴や体の状態などを確認しながら再確認することができます。チェックの目が多いことに越したことはありません。
 

* 災害時に役立ちます
処方される薬剤というのはひとつだけではなく、複数が処方される場合が多く、それらを詳細に処方量まで記憶している方は意外に少ないのではないでしょうか。
いつもの医療機関や薬局であればデータも残っていますし、何よりコミュニケーションを取っているおかげで処方薬を確認することができるでしょう。

しかし、大きな災害時などは混乱が生じていますし、医療機関に記録がそのまま残っているとは限りません。そのような場合であっても、お薬手帳があれば処方薬や用量などから病歴を推察することもできるので、非常に役立ちます。
 

いつもの病院だから、いつもの薬局だから大丈夫とお薬手帳を持たずにいるのではなく、もしもの場合も踏まえた上でぜひお薬手帳を持ってみてはいかがでしょうか。
もちろん、大切な家族にも同じように勧めてあげて欲しいですね。

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