不妊治療に活用するビタミン製剤とは?(ビタミンA・B・C・D・E・葉酸)

◆ビタミンA,C,D
その他、ビタミンAやビタミンC,Dの不足にも気をつけたいところです。

ビタミンCは水溶性のビタミンであり、正常な精子の生成を促す働きがあります。
また重要な点として、ビタミンEが酸化された場合にそれを還元する作用も持ち、お互いにその効果を補い合っています。従って、ビタミンC,E同時摂取はその効果を相乗的に高めることになります。

ビタミンCは柑橘系の果物に含まれていることはよく知られていますが、それ以外にビーマンなどの野菜類にも多く含まれています。

新鮮な野菜と果物

次にビタミンDですが、こちらは脂溶性のビタミンになります。

こちらは血中カルシウム濃度を一定に保ち、骨の形成・成長に深く関わっていることは以前から知られていましたが、細菌では細胞の増殖分化にも携わっているとされる研究も出てきています。
さらに、ビタミンDを摂取することで、体外受精の成功率が上がったり、精子の質が良くなったという報告もありますので、妊娠率を上げる物質の一つといっても過言ではありません。

ビタミンDは体内でも紫外線を浴びることによって生成される物質ですが、その量は不足しがちです。体外から補う必要があり、多く含まれる食品として脂質の多い魚類や卵黄があります。

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最後になりましたが、ビタミンAも子宮の細胞が正常に分化するために必要な栄養素であり、不足すると正常な細胞の分化を妨げ、不妊や月経痛を招くことになります。
こちらも摂取しておきたい栄養素ですが、脂溶性のビタミンなので体内に蓄積しやすく、過剰に摂取してしまうと胎児の先天性異常を引き起こす可能性があります。

ビタミンAが多く含まれる代表的な食品はレバーやうなぎですので、細胞が分化する妊娠初期に摂取する場合は、その量に注意が必要です。

◆ビタミンB
ビタミンB12は卵巣や胎盤、子宮といった生殖器の細胞の成長やその働きに不可欠で、女性ホルモンであるエストロゲン分泌や受精卵の着床に深く関わっています。
不足することで不妊症になるだけではなく、流産などの危険性にもさらされてしまいます。

また、精子の数と活動にも影響を及ぼし、良質な精子の生成にも貢献する重要なビタミンです。

一方、ビタミンB6は、プロゲストロンを増加させる作用があります。
プロゲストロンは、受胎した卵子が育つため子宮膜を維持する大切なホルモンですので、こちらも不妊症の場合には摂取したい栄養素の一つになります。

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どのような食品に含まれるのか?
ビタミンB12は動物性食品に多く含まれ、豚ロース肉、レバー、さんま、まぐろ、牡蠣、あさり、しじみ、のり、チーズ、卵に含まれます。

ビタミンB6も肉類や魚の赤身に多く含まれます。また、ナッツ類からも摂ることができます。

◆葉酸
葉酸はビタミンの一種であり、ビタミンB郡に含まれる水溶性ビタミンです。
植物に多く含まれ、遺伝情報を司るDNAの分裂に欠かせない存在であり、その他、粘膜やタンパク質合成にも働きかけます。

また、葉酸はビタミンB12と一緒に摂ることで赤血球を生成する造血作用に作用するので、貧血予防にも効果的です。

不妊治療において有用な葉酸ですが、特に、妊娠初期の摂取が胎児の細胞分裂に必要不可欠です。
この時期は、胎児の細胞分裂が急速に加速している時期で、葉酸が不足すると胎児に神経管閉鎖障害の発症リスクが高まるため、是非とも摂取したい栄養素になります。

一体どのくらいの量が必要かというと、妊娠初期で1日400μgとされており、必要量を超えて過剰に摂取した分は、尿中に排出されます。

どのような食品に含まれるのか?
動物性食品ではうなぎやレバーに多く含まれています。しかし、後に述べますがそれらの食品にはビタミンAが多く含まれており、過剰に摂取すると胎児に悪影響を及ぼす可能性があるので、注意が必要です。
その他、いくらやホタテ、肉類にも多く含まれています。

野菜では、アスパラや枝豆、ほうれんそうや大豆及び大豆製品の摂取も有用です。また、イチゴにも多く含まれています。

◆ビタミンE
ビタミンの中でも、葉酸以外で不妊治療に効果的だと言われているビタミンは多く存在します。

その中でも、ビタミンEは“子宝ビタミン”とも呼ばれ、黄体ホルモンの分泌のために必要不可欠な栄養素になります。

ビタミンEは抗酸化作用をもち、血行を良くすることで新陳代謝を促します。さらに、性ホルモンのバランスを整える効果もあるので月経が安定し、妊娠しやすい身体へと導きます。
また、子宮内膜の質が良くなるため、子宮内膜が厚くならないケースでも質が高まるので妊娠する可能性が高くなります。

どのような食品に含まれるのか?
アーモンドやピーナッツなどのナッツ類、さらには植物油にも多く含まれています。

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