尖圭コンジローマについて
性器クラミジア感染症や淋菌感染症ほどではありませんが、性感染症のうちでも比較的感染者が多く、特に近年は女性に多く見受けられるのが尖圭コンジローマです。
●尖圭コンジローマとは?
イボが性器や肛門周辺にできる疾患で、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスによって引き起こされます。HPVには100以上も種類があり、そのうち尖圭コンジローマは6型や11型などが原因です。ちなみに、16型や18型といった種類は、子宮頸癌を引き起こす原因として知られています。
潜伏期間は平均すると3ヶ月程度、長ければ8ヶ月もの間、潜伏していることもあります。そのため、感染時期を特定することは難しいのが実情です。潜伏期間の長期化も相まって、知らないうちにパートナーへ感染させてしまっていることも少なくありません。
●どのような症状があらわれるの?
男女ともに、肛門や性器にピンク色や茶褐色のイボができます。違和感や痒み、痛みなどを伴うこともありますが、自覚症状がないことも多々あります。
男性であれば亀頭部分や陰嚢周辺、女性であれば膣や外陰部周辺にイボが発生するのですが、女性の場合は膣の内部に発生することもあります。これらを放っておくと、さらに数が増えてしまいます。
●どのような治療を行うの?
大きく分けて、外科的にイボを切除する方法と、患部に薬を塗って治療する方法があります。
外科的治療でよく行われるのが、電気メスでイボを除去する電気焼灼、麻酔をせずに液体窒素でイボで凍らせて除去する凍結療法です。
薬物治療については、2007年に尖圭コンジローマに保険適適応をもつ治療薬として、ベセルナクリーム5%が発売されています。この薬は、自己の免疫力を高めてウイルスの増殖を抑える働きがあります。
赤み腫れ、潰瘍ができるなどの副作用が出ることがあるので、患部以外には塗らない、決められた時間が経過した後には洗い流すなど、使用上の注意点には気をつけましょう。
尖圭コンジローマは、非常に再発率が高い性感染症であり、その割合は3ヶ月で30%近くなるともいわれています。
また、性器以外にも感染することがあり、妊娠期の膣や産道にイボがあれば出産時に赤ちゃんへ感染してしまう可能性もあります。そのため、イボの状態や大きさなどによって予め切除したり帝王切開になることもありますが、治療を行うかどうかについては、ケースバイケースによって選択をしていきます。
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