MR(医薬情報担当者)っていう職業を知っていますか?

みなさんが病院や調剤薬局を訪れた時に、普段は見慣れない、そして患者さんとは違った雰囲気を醸し出しているスーツ姿の方を見かけたことはないでしょうか。

場合によっては、次々と患者さんが呼ばれていく中で待ち続けているので、違和感を覚えたりしたことがあるかもしれませんね。

そのような方々はMR(医薬情報担当者)と呼ばれ、製薬企業に所属し営業活動を行っています。一昔前は男性の割合のほうが多かったのですが、最近では女性のMRも随分と増えてきました。

では、MRとは医療業界においてどのような役割を担っているのでしょうか。

●MRの役割とは?
営業とはいっても、MRは一般的なそれとは異なる部分が多々あります。なぜなら、彼らが扱うものは情報だからです。薬を手に取り販売し、代金をもらうといった行為はせず、医薬品に関わる情報を提供したり、時には医療機関側からの情報を収集して自社に持ち帰るといった業務を行っているのです。

例えば、新しい薬が販売されることになった場合、医師や薬剤師、看護師の方々はまだその薬の使い方、得られる効果、そして起こりうる副作用などを知らない状態です。そこでMRは、自社の薬を使う機会がありそうな医療機関を事前に訪問し、これらの情報を提供して薬の効果が最大限引き出せるよう貢献しているのです。

これは新薬だけではなく、既存の薬においても同様です。使用していく中で新たに得られた情報や、起こってしまった副作用についても正確に伝えていくことは結果的に、薬を服用する患者さんの役に立つのです。

電話をするビジネスマン

●MRになるにはどうしたらいいの?
他の企業への就職活動と同じように、大学卒業後に入社試験を受け、営業部門に配属されることで業務に従事することができます。

学部別にみると薬学部を含む理系出身者もいますが、文系出身者の割合も多いので、どのような学部に所属していたとしてもMRを目指すことができるといえます。

もちろん薬学部以外の出身であれば、薬に関する知識が不足していることは企業も重々、承知しています。そのため、入社後は約半年ほどの研修期間が設けられており、相応の知識を得た上でやっと現場に出ることができます。

他業種から転職するなど、全く畑違いの業界から転職するケースもあります。
この場合においても、各企業における研修制度は充実しているといえるでしょう。

●MR認定試験とは?
国家資格ではありませんが、殆どの企業において公益財団法人MR認定センターが主催するMR認定試験に合格し、MR認定証を取得する必要があります。これは新人のみならず、転職組も通り抜けなくてはならない一つの関門です。

試験では、薬に関わることから疾病や治療に関するものまで、幅広い知識が要求されます。また、この資格は取得後も5年ごとに更新となっていますので、継続的な研修の受講や自発的な学習も必要不可欠です。

MRとは、決して単に企業の利益だけを追求する職業ではありません。医薬の知識に関わることで少しでも患者さんの健康に貢献できるよう、MRは日夜、努力しているのです。

<参考>
公益財団法人 MR認定センター
http://www.mre.or.jp/index.html

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