不妊治療におけるPRP療法について

日進月歩の不妊治療において、いま非常に注目されているのがPRP療法です。
患者さん自身の血液を用いた再生医療であるPRP療法は、どの医療機関でも実施できるわけではなく、法律に基づいて計画の届出が受理された施設でのみ行うことができます。

PRP(多血小板血漿)療法とは
私たちの体は、怪我をして出血をした場合であっても、時間が経つと血が止まってカサブタが出来、やがて元通りになります。その修復には血小板が大きな役割を果たしているわけですが、仮に、血中の血小板が少ないと血が止まりにくく、傷の治りも遅くなってしまいます。

このような、私たちに本来備わっている自己組織を修復する働きを不妊治療に応用した技術がPRP療法であり、いま治療における希望の光となっているのです。

PRP療法の適応について

PRP療法は、体外受精や顕微授精といったARTを繰り返し実施したにも関わらず、妊娠に至らなかった方が対象となります。

妊娠の過程では、受精した胚は子宮内膜に着床して発育を繰り返していくわけですが、子宮内膜が薄いと胚の着床自体が難しくなってしまいます。また、仮に着床したとしても十分な発育がのぞめないこともあるなど、子宮内膜は妊娠過程において一つの重要な要素となるのです。

血小板には細胞の修復や増殖に関わる成長因子が含まれているため、これを子宮内に注入することで子宮内膜を厚くする効果が期待できます。

この治療法における最大の特徴は、患者さん自身の血液から抽出した血小板を使う点です。そのため、アレルギー反応や重篤な副作用が起こりにくく、より安全性の高い治療をすることができます。

PRP方法の手順と気をつけるべき点

PRP療法では、患者さん自身の血液を20cc採取して遠心分離機にかけて成分を分離させ、調整したPRP を子宮内に注入します。

実施できる時期は、月経開始後の10日および12日前後の2回ですが、場合によっては1回みの実施に対応してくれる施設もあります。そして、月経開始から14日目に子宮内膜の厚さをエコーで確認し、その後胚移植に移ります。
1回の治療は1〜2時間程度で終わりますが、血小板の状態などを考慮して再度、採血を行うこともあります。

着床率や妊娠の継続に効果的なPRP療法ですが、デメリットとしてあげられるのであればその費用です。自費診療のため、2回で20万円ほどかかります。
実施できる施設も限られていることから、PRP療法を検討される際にはかかりつけ医とよく相談してから選択することをお勧めします。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ページ上部へ戻る