「不妊治療はシンプル イズ ベスト!」~CMポートクリニック 安部院長先生インタビュー
このたびはCMポートクリニック院長の安部先生にインタビューをさせて頂きました。安部先生を初めて取材させて頂いてから、10年以上が経過しております。
その当時から、「不妊治療は地域医療である」「一人のドクターが患者さんを責任もって診るという安心感~フレンドリーART」という印象的なコメントを頂いておりました。今回も先生ならではの独自コメントが出るのではないかという期待を持ちながらの取材となりました。
ぜひ、ご覧ください。
●改めて先生の不妊治療についてのポリシーを教えていただけますでしょうか
患者さんの希望は一番だと思っていますが、かつて先輩が「体外受精の技術を使えば妊娠させることができる。ただ、その前までに妊娠させることが本当の不妊専門医ではないか。」と言われた言葉が心に残っています。
特に、いわゆる原因がはっきりわからない患者さんに対して、できるのであれば人工授精やタイミング法で試してあげるというのが私のポリシーです。そして、出来るだけこのレベルで妊娠できるようにと考えて治療しています。
ただし、不妊治療を開始する年齢が40歳以上であり、本人の希望があれば体外受精を行うようにしています。
●体外受精で妊娠させる方法と、患者さんの状況を把握してある程度、費用や体への負担を抑える方法とでは、同じ妊娠でも少し異なると感じているのですが、先生はいかがでしょうか。
最終的には妊娠することが目的ですし、本人が納得していればいいと思っています。例えば、20代でどうしても妊娠したいなど。でも、そこにご主人がEDであるといった隠れた理由があるかもしれないので、納得した上で治療を進めていくようにしています。
どんな治療を進めていくのかについて、我々は提案をし、患者さんの状況と希望で決めていくことになります。
希望に合わせて、望む結果になるようにしていくのが我々の仕事だと思っています。
●患者さんの年齢層が変化してきていると感じているのですが、先生はどう思われますか?
明らかに変化してきていると思います。
特に、20代後半からの体外受精が増えていますね。昔はこの年代の方は体外受精をしていなかったので比べようがないのですが、このように治療の選択肢が広がっていることを考えると今後、妊娠率は増えていくのではないでしょうか。
●地域に根ざした不妊専門クリニックが増えてきた一方で、大規模なクリニックも増加傾向にあります。この二極化について、どうお感じになられていますか?
大手クリニックの妊娠率をどこまでも追求する姿勢については少し違和感を感じています。どちらかというと私は、「不妊治療とは元気なお子さん、元気なお母さんがいて、カラダに負担がなく産ませてあげる。」それが、成功だと思っています。
そのため、体外受精時に多くの卵を刺激し、採らないですし、副作用が出来るだけ少なくなるように治療しています。インターネットなどでは、低刺激だと成功率が悪いという批判をよく目にします。確かに、たくさん卵があると良いこともあるかもしれませんが、余った多くの受精卵を長期間保存して費用が多く発生したり、破棄するということには目を向けていないですよね。ここは賛否両論のあるところだと思います。
私の場合は「低刺激で3、4個採れた卵のうち、1、2個凍結することができれば良い」という考えで治療に取り組んでいます。
●今後のビジョンについてお聞かせください
理想の不妊治療を追求していきたいと思っています。そのために、必要最小限の治療と必要最小限の卵、そして最大限の成績を目指しています。
不妊治療は安かろう悪かろうではなく、低刺激でコストを抑えた方法もあることを知ってほしいですね。
様々な選択肢が増えた今だからこそ、強くお伝えしたいことは「不妊治療はsimple is best」だということです。我々の治療のコンセプトはここに尽きます!
<まとめ>
安部先生は開業してからずっと毎日診察をされています。いくら調節刺激でも排卵はいつ起きるか分からないという理由と仕事でお休みをなかなか取れない方のために毎日クリニックを開けておく必要があるからだと言われています。
また、別のドクターを雇用することにより、ドクターごとの治療のむらが出るのも患者さんにとって不利益が発生するのが嫌だということで、半日診察の日もあるけれど、毎日ご自身で診察をされています。
様々な不妊治療の先生がおられますが、このような家庭医的な不妊治療をされる安部先生のスタイルも患者さんにとっては大きな安心感があるのだろうなと感じる次第です。
お忙しい中、インタビューのお時間を頂戴した安部先生にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
<参考サイト>
CMポートクリニック
https://cm-port.net
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